ドル円の行方を知るために
ドル円の過去を知る
基軸通貨が必要な理由
国際的な決済を行う際、基軸通貨があれば為替交換の組み合わせの数が減り、取引のコスト(費用・手間・時間)面で大きなメリットが生まれるから
例えば5つの通貨があったとする。
5つの通貨から2つの通貨の組み合わせは10パターンあるが(10パターンの為替レートが存在することになるが)、基軸通貨を1つ用意すると、基軸通貨とその他の通貨の組み合わせ4パターン(4パターンの為替レート)だけで取引可能。
アメリカドルが基軸通貨となったブレトンウッズ会議
第二次世界大戦の終わりが見えてきた1944年、アメリカのブレトンウッズで戦後の国際金融、経済体制を話し合い、
アメリカドルを基軸通貨とすることが決まった。
また、アメリカドルと他国の通貨は固定相場制で運用すること
国債通貨基金と国債復興開発銀行(世界銀行)を設立すること
が決まった。
固定相場制とは
35アメリカドル=金1オンス
1アメリカドル=360円
と為替レートが決まっていた。
ちなみに、現在は変動相場制。
固定相場制から変動相場制へ
アメリカが軍事費や国内福祉のために巨額の財政支出を続けた(ドルを刷りまくった➡ドルの価値低下)
また、海外製品の輸入、海外投資をすることで、ドルが海外に流出していった(ドル保有量低下)
これらのせいで、固定相場制が維持できなくなっていった。(ドルと金の均衡が保てなくなった)
ニクソン・ショック
1971年8月15日、ニクソン大統領がアメリカドルと金の交換停止を発表した。
これにより、アメリカドルの価値が急落していく。
1971年:1アメリカドル=360円
2011年:1アメリカドル=75円
ドル安円高へ
円高となった日本はアメリカ製品を割安で買える一方、日本製品がアメリカにとって割高となり、売れにくくなった。
2023年現在の日銀は円安に誘導している
円安になれば、日本製品が海外で売れやすくなる。日本にとっては輸出企業が潤う方がトータルでメリットとなる。
一方、海外から買うしかないエネルギー燃料は割高となり、物価高(インフレ)を引き起こす。
実際に、物価高となっているが、この状況へ誘導することで企業の賃上げを期待している。
しかし、世界的、歴史的に見て、コストプッシュインフレで好循環を起こす例はほとんどない?
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